RADIOISOTOPES
Online ISSN : 1884-4111
Print ISSN : 0033-8303
ISSN-L : 0033-8303
大気浮遊塵の放射化分析 (第2報)
真室 哲雄松田 八束溝畑 朗松並 忠男
著者情報
ジャーナル フリー

1972 年 21 巻 3 号 p. 164-169

詳細
抄録

大阪市内に2個所, 堺市内に2個所定められた観測定点において採取した大気浮遊塵を機器放射化分析法によって元素分析し, 1970年3, 月より1971年3月に至る期間の種々の元素の月別の月間平均大気中濃度を決定した。試料採取法や分析法は前報とまったく同様である。年間を通じて8月に最低濃度, 11月ないし12月に最高濃度を示し, 6月の梅雨ごろに小さいピーク濃度を示すような元素が多かった。しかし, Zn, As, Se, Sb, Thなどは起伏の激しい濃度変化を示した。元素によってかなり顕著な地域差が認められた。Brの主要発生源は自動車排気ガスと考えられる。多元素についての情報が容易に得られる機器放射化分析法は大都市の大気汚染の実態把握にきわめて有効であると考えられる。

著者関連情報
© 社団法人 日本アイソトープ協会
前の記事 次の記事
feedback
Top