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骨スキャンニング剤としての放射性スズ化合物
安東 醇久田 欣一松平 正道安東 逸子
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1973 年 22 巻 6 号 p. 297-302

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抄録

117mSn-citrate (117mSnT=14d, γ線エネルギ-159, 162keV) の骨スキャンニング薬剤としての適否を動物レベルで検討するため, 113Sn-citrateと85Sr-chlorideの骨への取込みを正常ラットおよび骨折後12日目のラットで実験した結果, 113Snはほぼ85Srに匹敵する成績をおさめ, 骨スキャンニング元素としてすぐれた生物学的性質をもっていた113Sn-citrateは胃腸管にほとんど排出されず, 尿中へ排出されることは85Sr-chlorideにない長所であった。つぎに113Sn-citrateを静注したラットからは2.4時間の半減時間で50~60%が尿中に排出され, 残りは31.5日の半減時間で体外排出された。113Sn-citrate静注のさいのcarrierの影響はラット1匹あたり金属スズに換算して100μgまでは体内分布に影響を及ぼさなかった。

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