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有機ヨウ素化合物を含むヨウ素交換系の活性化エネルギーについて
池田 長生高橋 泰子
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1976 年 25 巻 1 号 p. 1-6

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抄録

有機ヨウ素化合物中のヨウ素の定量に, 著者らは新しい同位体交換分析法を開発し, いくつかの有機化合物について定量を行った。そのさい適当な同位体交換反応速度をもつ系を見出す目安として, 活性化エネルギーを求め, 有機ヨウ素化合物の構造, 試薬濃度, 溶媒等との関係を検討した。均一系では活性化エネルギーはCH3I<C2H5I<n-C3H7I<n-C4H9I<n-C6H13I<iso-C4H9I<CH2I2であり, また溶媒については100%アセトン<90%アセトンであった。またOrg.I (aq.) -I2 (CCl4またはC2H4Cl2) の不均一系においては (Org.Iは下記の有機ヨウ素化合物を示す。) 活性化エネルギーは3, 5-diiodotyrosine<3-iodotyrosine<5-iodouracilの順であった。I2の触媒作用は大きく, 有機ヨウ素化合物に対するI2のモル比が活性化エネルギーに大きく影響することがわかった。

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