RADIOISOTOPES
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脳槽内に投与された111In-DTPAのラットおよびマウスにおける体内挙動
松嶋 裕明加藤 真杉村 幸治葉杖 正昭
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1977 年 26 巻 11 号 p. 784-789

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抄録

111In-DTPAを, ラットおよびマウスの脳槽内に投与し, 投与後の体内挙動, 排泄の状況などを解剖的手法およびオートラジオグラフィ法で検討するとともに, 代謝物をクロマトグラフィ法で検索した。ラットおよびマウスの脳槽内に投与された111In-DTPAは, その一部が脊髄腔内に移行し, ついで脳槽および脊髄腔内から, 約1時間の初期半減期で消失して血中に移行する。血中からのクリアランスも速くその初期半減期は約0.8時間であった。おもな排泄経路は尿路であり, 尿中排泄物はまったく代謝変化を受けない111In-DTPAがほとんであった。ラットにおける性差は認められず, また, ラットおよびマウスにおける体内挙動にも差を認めなかった。

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