α線吸収を利用した絶対湿度の測定

抄録

絶対湿度による空気密度変化が, α線シンチレーション検出器により測定された。使用したα線源は, ²⁴¹Am, 3.7MBq (100μCi) の密封線源である。シンチレーション検出器とα線源の距離は, α線の飛程よりわずかに短い25mmに固定され, 大気圧下, 35℃, 45℃の温度で, 7.9g/m³から52.2g/m³の絶対湿度に対するα線の計数率変化が測定された。35℃, 絶対湿度31.7g/m³ (80%RH) での計数率は, 乾燥空気での計数率に対して28%増加した。測定結果と計算結果より, 湿り空気と乾燥空気での計数率の差が, 絶対湿度にほぼ比例し, これより絶対湿度が±3g/m³, 45℃で±5%RHの精度で測定できることが分かった。