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燐酸亞鉛アンモニウム沈澱の溶解度について
神原 富尚
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1955 年 4 巻 1 号 p. 21-26

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抄録

以上の結果から次の結論を得た。
1) 亜鉛を燐酸亜鉛アンモニウムとして定量的に沈澱させるのに2つの方法を用いた。その一つは (A法) メチルオレンヂを指示薬に使用して微酸性溶液に理論量の約5倍の燐酸亜鉛アンモニウムを添加して沈澱を生成 (pH=6.2~6.3) , 熟成させる方法で, もう一つは (B法) フェノールフタレインを指示薬としてA法と同量の燐酸亜鉛アンモニウムを添加後アンモニア水で微赤色を呈させた後 (pH=8.0~8.1) 熟成させる方法とである。
20mg程度の亜鉛をA法またはB法で沈澱させ熟成, 演過, 洗滌した際A法によった方がB法によるよりもその沈澱の溶解量が少量ですぐれていた。またその熟成条件如何では両法ともその溶解量を0.10mg以下に抑え得た。
洗滌液としては1%燐酸亜鉛アンモニウム及び50%エチルアルコールを用いるよりも, 水及びエチルアルコールを用いた方がはるかにすぐれた結果を得ることを知った。
2) 本実験で65Znを使用して溶解度を算出するに, 沈澱の比放射能から求める方法とNeiman等の式を利用して求める方法とは測定誤差範囲内でよく一致した結果を与えた。

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