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ラット脂肪肝モデルにおける99mTc-GSA肝シンチグラフィの有用性の検討
木本 光則赤木 史郎河野 良寛郷原 英夫栄 勝美永谷 伊佐雄竹田 芳弘平木 祥夫
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1994 年 43 巻 10 号 p. 583-587

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抄録

99mTc-GSAは, 肝細胞にあるアシアロ糖蛋白受容体に結合し, 肝臓のイメージングを行う新しい放射性医薬品である。われわれは, ラット脂肪肝での肝細胞障害の評価を行った。実験には, Wistar系ラットを用い, 対照群 (n=6) およびコリン欠乏食2, 4, 6, 10, 12週投与群を作製した (それぞれn=6) 。
99mTc-GSAを下大静脈より投与し, 直後より30分間ダイナミックデータを収集した。肝細胞にあるアシアロ糖蛋白受容体量を反映する指標として, t90 (肝の時間-放射能曲線がピークカウントの90%に達する時間) , KuおよびKd (2コンパートメントモデルより算出) を使用した。脂肪肝の程度に応じて, t90は延長し, KuおよびKdは減少した。これらの結果より, 脂肪肝における肝細胞障害の評価において99mTc-GSAが有用であることが示唆された。

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