2002 年 51 巻 2 号 p. 60-65
ポジトロニウム消滅寿命により見積もったエポキシ樹脂中の自由体積空孔サイズから, ジオキサン添加による可塑効果およびその温度依存性について検討した。ガラス転移温度はジオキサン含量の増加とともに減少し, 同時に, 各温度における自由体積空孔サイズは直線的に増加した。自由体積空孔サイズとジオキサン含量との相関から得られる比例係数, すなわち, ジオキサン添加による過剰な自由体積は, 温度上昇とともに増加した。ボルツマン型分布モデルにより見積もられた過剰な自由体積形成エネルギーは熱容量測定で得られた高分子系の値と一致した。