2024 年 28 巻 1 号 p. 152-159
鉄道設備は目視での検査により状態を管理している場合が多いが,検査記録に基づくアセットマネジメントの鉄道分野への導入は十分に検討されていない.本研究では,アセットマネジメント技術のうち,不具合発生過程がワイブルハザードモデルで表される設備のリスク評価に必要な維持管理シミュレーションを構築した.具体的にはJR四国の転てつ機に着目して,その検査記録から推計されたワイブルハザードモデルを利用した維持管理シミュレーションにより,不具合発生率などのリスクの時間推移と,検査周期との関係を定量化した.また,一般的な設備でよく利用される摩耗故障型と本研究の維持管理シミュレーションで対象とした初期故障型のワイブルハザードモデルの比較により,予防保全などの典型的な維持管理施策が初期故障型では有効でない可能性があることを明らかにした.