抄録
近年、製造業をはじめとして多くの非・食品系業種の企業が「植物工場」事業へ参入する事例が増えている。しかし、植物工場を巡る事業(植物工場ビジネス)は施設系から生産販売系まで多様である上に、植物工場もいくつかのタイプが存在する。本報告では、植物工場ビジネスの整理と各ビジネスで重要となる点を整理する。まず、植物工場のタイプについて整理を行った後に、植物工場のビジネスモデルにおける価値が、通常の機械系製造業と同様に、作業系から制御系・情報系・サービス系へと移行することを述べる。その上で、今後の植物工場ビジネスにおける価値形成についてモデル論的に提示し、「押さえ所」がどこであるのかを検討する。そして、それぞれの価値形成モデルが植物工場のタイプともどのように関連するかを検討することで、競争力強化の方向性について検討する。