製造・サービス現場の安全確保は,労働での日周性疲労が重要な意味を持っている.なかでも,コンピュータの目覚ましい普及で,苛酷なディスプレイ作業における眼精疲労を起点とした心身症が深刻な社会問題になっている.本文では,日周性疲労での労働を維持するために試作した眼精疲労の測定・回復装置を示した.さらに,精神的抑圧感からの解放のためにミュージックテラピーにつながる心地よい音やリラクセーションのためのアロマテラピーなど,労働安全における感覚の役割についても考察した.こうした実験を基に,本文では感覚を単純線形代数で表し,事故やトラブルを回避する可能性を示す安全性とコストとの関係を評価するためのモデルを提案してみた.