抄録
大都会では,到る所で高層ビルや橋梁などの建設がなされている.その工事現場付近の路上を通りかかった通行人が,突然,建設資材である鉄骨の落下により,不慮の大事故に巻き込まれることがある.しかし,稀にではあるが周囲環境の異変をなんとなく第六感で感じ取り,瞬時に危機回避行動をとった結果,大事故を回避できた通行人もいる.そこで,本研究はバーチャルリアリティを取り入れたPCによる模擬実験を実施した.これによって,第六感によって大事故を察知し,回避行動が取れたと評価される被験者の脳波が解析により得られた.この結果を適用すれば,建設工事現場における不慮の事故を含む幅広い労働災害の低減化が見込まれるであろう.