リハビリテイション心理学研究
Online ISSN : 2436-6234
Print ISSN : 0389-5599
原著
放課後等デイサービスにおけるアナログゲームと身体運動を伴う活動の導入が発達障害児の友好的な対人関係の形成に及ぼす影響
下池 洸史朗
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2025 年 50 巻 1 号 p. 1-12

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抄録

本研究では,放課後等デイサービス事業において実施された小集団療育の経過と参加児童の変化を検討することを通して,発達障害児に対する余暇支援においてアナログゲームと身体運動を伴う活動を取り入れた療育活動の有効性について論じた。参加児童Aは,衝動的な言動や勝敗と順番へのこだわりを示していた。そこで,グループリーダーは,以下の2つの工夫を行った。①活発な身体運動を伴う遊びを通して快的な情動体験と積極的な対人交流を促し,段階的に他児と協力する楽しさを経験させた,②アナログゲームを用いた活動を通して,参加児童同士の友好的な対人行動を引き出した,その結果,Aの活動参加や対人関係の在り方に変化が見られた。放課後等デイサービスにおいて,アナログゲームと身体運動を伴う活動を導入することは,学童期の発達課題の達成を促すことや,参加児童の余暇の充実と良好な対人関係の形成につながることが推察された。

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