リハビリテーション連携科学
Online ISSN : 2435-7111
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看護職による在宅介護に向けた支援にみられる困難の分析: 医療依存度の高い患者の支援の課題
保科 寧子
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キーワード: 退院支援, 看護職, 医療依存
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2019 年 20 巻 1 号 p. 57-62

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抄録

【目的】本研究の目的は, 地域の一般病院の退院支援においてどのような課題が生じているかを明らかにし, 今後必要とされる在宅介護のシステムや社会資源について検討することである. 【方法】ある一般病院に勤務し退院支援に関わる看護職を対象に, 「2015年4月以降に新規または継続対応している医療依存度の高い方の在宅介護に関する業務 (退院支援 ・ 在宅ケアなど) において, 困難を感じたこと」について無記名自記式自由記述アンケート (2017年実施 ・ 回答率42.6%) を実施した. 【結果】①在宅介護のための環境整備に生じている困難 (経済的な課題, 介護者の不在, 家族の介護拒否等) と②院内での退院支援時に生じる困難 (退院指導の困難, 専門職の連携不足等) に大別された. 特に①には医療依存度の高い患者の在宅での医療行為が困難という指摘があり現場レベルでの課題が示された. 【結論】今後は医療依存度が高く, かつ独居, 低収入, 介護者なしなどの課題を抱えた人々を支える環境整備や各機関の連携等の検討が必要である.

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© 2019 日本リハビリテーション連携科学学会
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