2001 年 7 巻 p. 133-153
本稿の目的は、インタビュー・データの分析によって、個人の信仰を理解するための方法を示すことである。信仰の理解にとって、ライフヒストリー法は有効な方法ではあるが、インタビュー・データをライフヒストリーに変換する手順は明確になっていない。そのための有力な方法の1つとして、コンピュータを用いたコーディング方法を示す。その手順は、以下の4つの段階からなる。(1)テキストデータ化したインタビュー・データを時間の流れで区切る。(2)KT2システム・プログラムによって、コードを抽出する。(3)クロス表を用いて、コードをカテゴリーに統合する。(4)等高線図というグラフに表し、重要なカテゴリー間の関連を調べる。このグラフによって、重要なカテゴリーの、全体における意味とそれらの関連が明確になる。また、コーディングされなかった部分に注目することで、質的なデータの特徴を生かしたライフヒストリーを書くことができる。