抄録
作物栽培において, もっとも効率よく最高の生産をあげるためには, どのていどの栽植密度をえらべばよいかは基本的な課題の一つである。本実験は水稲乾田直播栽培における播種量決定の一助として, 栽植密度の変化に伴う分げつの発生と推移を時期別にとらえ, それらが収量および収量構成要素に及ぼす影響をつまびらかにせんとした。供試品種ヤマビコ, 播種期5月16日, 栽植密度5水準(625, 25, 100, 400および1600株/m^2), N施用法2水準(A : 元肥無施用で追肥のみ, B : 元肥と追肥施用, なおAはBの1/2N量)の3反覆で実験した。そして分げつの初めて認められた6月13日から26日までの2週間に発生した分げつを第1期分げつとし, 以後2週間ごとに第2期, 第3期………として分類し, それぞれの群落における分げつの発生時期別消長, 乾物重の推移と収量および収量構成要素について発生時期別にその貢献度を検討した。