抄録
近年,グループワークのグループ編成では,ランダムでメンバーを構成することが多い.そこで過去のテストデータなど,学習者の成績を用いてグループを編成し,ピア・インストラクションを誘発させることにより,グループワークの学習効果を向上が可能であると仮定した.本研究の目的は,プログラミング演習における学習者のデータを用いて,最善なグループを編成するマッチングアルゴリズムの構築をし,ピア・インストラクションの効率をあげ,知識定着率を向上させることである.テストの成績に基づいて「グループ内の学力差を小さくするマッチングアルゴリズム」「グループ内の学力差を大きくするマッチングアルゴリズム」の2種類のマッチングアルゴリズムを用意した.これらのマッチングシステムを教育現場に導入し,実験を行い,アンケートを行った.結果として,グループワークの効率や,ピア・インストラクションに差は見られなかった.理由として,メンバーの友好度の無考慮が挙げられる.今後の予定として,認識度と学力を入力データとしたマッチングアルゴリズムの作成を目指す.