グループディスカッションは,学生のコミュニケーション能力や批判的思考力など多様なスキルの育成に有用であり,近年,大学教育をはじめとする様々な高等教育機関において積極的に活用されている.一方でグループディスカッションでは,話し合われているトピックに対する理解や参加者の意図,制限時間などを把握し様々な情報を集約し,会議に参加するのは難しいという問題がある.そこで本研究では,特に近年増加しているオンライングループディスカッションに焦点を当て,多様な参加者情報(発話内容,表情,注視方向,リアクションなど)を記録・可視化する会議情報可視化手法を提案する.本手法では,音声や表情データを収集し,生成AIを用いて要約を行い,アバタや背景の大きさ・表情・吹き出し表示など視覚的要素による情報提供を行うことで,参加者が発言量や感情変化,注視先,リアクションといった多面的な状況を直感的に把握できるようにする.これにより,発言が苦手な参加者への配慮やバランスの取れた意見交換が促進され,協同学習の活性化が期待される.大学生3名2グループの全6名を対象としたケーススタディでは参加者から,発話量の可視化やアバタによる情報提示が役立つとの肯定的意見が得られ,実際の会話展開やアンケート回答から,一定の有用性が示唆された.さらに,発話量といった記録データから発話量が均一になっているデータも確認することができた.今後の課題として,より効果的なディスカッション支援を目指し,システムの精度評価や大規模な実験の実施を計画している.
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