実践的IT教育シンポジウム rePiT 論文集
Online ISSN : 2758-5549
第11回 実践的IT教育シンポジウム rePiT2025 in 名古屋
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意図的なリポジトリ障害の導入とその検出・報告・修復を通じたチームでのGit/GitHub学習支援システムの試作と検討
*北本 健阿樹井垣 宏
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p. 23-33

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抄録
ソフトウェア開発において,GitやGitHubは一般的なバージョン管理システムとして広く利用されているが,その操作性の複雑さから学習支援環境が数多く提案されてきた.本研究では,Git/GitHubの基本操作やチーム開発におけるトラブルシューティング能力を学習できる新たな環境として「ChaosGit」を開発している.ChaosGitは,複数のユーザが1つのリポジトリを共有し,ChaosGitが提示するタスクを遂行する形式でGit/GitHubの使い方を学習することができる.さらにChaosGitはbotによる意図的なリポジトリ障害をタスク実施中に導入する.タスク実施時に障害を検知したユーザは,他のユーザにその内容を共有し,協力して問題を解決する.この一連の流れを通じて,基本操作の習得だけでなく,障害対応スキルやコミュニケーションスキルの向上をユーザに促すことを目的としている.本研究では,大学生6名(各グループ3名ずつ)を対象としたケーススタディを実施し,提案環境の有効性を評価した.その結果,障害検知から修復までの流れが実際に体験可能であることが確認された.今後は,より多様な障害の導入や,タスクや障害についての解説機能を実現する改善が必要であると考えている.
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© 2025 本論文著者
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