実験音声学・言語学研究
Online ISSN : 1883-6763
論文
ポーズが日本語母語話者の評価に与える影響についての 一考察
韓国人日本語学習者のスピーチより
高村 めぐみ
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2011 年 3 巻 p. 1-11

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抄録

本稿では、韓国人学習者のスピーチの中から、音声面でマイナス評価されたスピーチについて、聴覚印象および音響音声学上、ポーズの点でどのような特徴があるか、また、その特徴が評価の要因になっているかを考察した。さらに、マイナスに評価されたスピーチの中で、評価に影響を与えたと推測されるポーズを母語話者と同等の時間長に加工したデータは、評価が上がるかを調べた。

その結果、文末、接続助詞、トピックマーカーの「は」、および連体修飾語の後のポーズを調整した場合、より高い評価が得られるようになることが分かった。このことから、ポーズの時間長のみを改善することで、母語話者評価が高くなる可能性があることが示唆された。

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