2003 年 1 巻 1 号 p. 62-65
本研究は,大阪湾周辺地域において土砂採取等の大規模開発のあり方と今後の方向性を探るために,土砂採取地の分布と跡地利用の変化について把握し,その要因を考察した.その結果,土砂採取地の分布は広域的に広がっている傾向があり,その規模が年々大規模になっていること,都市的土地利用がなされることが多かった大都市近郊でも,経済状況の変化によって近年では未利用地が増加していること,大都市から離れた立地では開発時期に関係なく荒地・未利用地となっていることが明らかになった.またこれらの状況の中で,必ずしも法規制等が有効に機能してこなかった実態が示唆された.今後,土砂採取等の乱開発の防止と跡地の適正化を図るために,地方自治体の枠を超えた広域的な規制や計画が必要不可欠であると考える.