2012 年 10 巻 4 号 p. 164-169
わが国では、ある程度道路整備がなされた現状も相俟って、今後は新たな道路建設よりむしろ既存の道路施設をいかに有効に活用するかに注目が移りつつある。言わば、「道づくり」から「道づかい」への転換が迫られており、道路政策の関心も量から質へと変化している。そこで、本研究では、特に交通需要が少ない地方圏の道路政策を念頭に、従来目指されてきた道路政策を整理し、今後重要となる政策を検討することを目的としており、ここでは近年、日本都市計画学会をはじめ各種学協会で公表(掲載)された道路政策に関わる文献(研究論文、論説、報告等)のレビューに基づき、従来の道路政策の視点を分類・整理、考察した結果を報告するものである。