近世以前に起源を有する大井手用水と堀川用水の取水口から幹線水路の末端まで,100m間隔で上流方向および下流方向の写真撮影を行った。それらの写真のトレースを行い景観の諸要素や構成を分析した。取水口における写真について,堰体,河道,山塊の構成を比較分析し,安定的な取水のための合理的な堰の立地や形が,景観の特徴に現れていることを共通点として明らかにした。また,幹線水路沿いの写真について,水路,山塊,田,分水施設の構成を比較分析し,地形に対応した導水の様子が景観の特徴に現れていることを共通点として明らかにした。