都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
路面アートの道路デバイスとしての可能性の研究
Asphalt artの事例から
中川 晴賀薬袋 奈美子
著者情報
研究報告書・技術報告書 フリー

2023 年 22 巻 2 号 p. 325-331

詳細
抄録

本研究では、近年欧米で事例が増加している路面アートの道路デバイス的利用に関して着目し、これらを数多く手掛けるBloomberg PhilanthropiesのAsphalt artを対象に、路面アートのデザインや設置方法を整理し、安全性に関する効果が立証されたプロジェクトの分析から路面アートの道路デバイスとしての可能性を検証した。結果、多くの事例が交通静穏化や道路の安全性の向上、地域の活性化を目的として設置されることや、地域のアイデンティティを活かした多様なデザインが施されている等、設置目的やデザインに関する知見を深めることができた。また、安全性の効果が立証されたプロジェクトの分析から、誘目性の高いデザインであっても事故発生数を減少させており、デザインの誘目性の高さが必ずしもリスクの見落としへつながるとは言えないことが確認された。

著者関連情報
© (c) 日本都市計画学会
前の記事 次の記事
feedback
Top