2006 年 5 巻 1 号 p. 25-28
地球環境問題や人口減少を背景に、我が国では多様なエネルギー供給方法を議論している。本論はエネルギーシステムと都市計画が相互に関係する可能性のある項目を整理し、都市再生に向けた計画単位を形成する際にエネルギーシステムが1 つの単位構成要素となりうることを検討することを目的とする。事例として札幌都心においてエネルギー供給単位を分散型に変え、これらのネットワークにより都心構造の再編成を試みる「札幌エネルギーネットワーク形成計画」における一連の活動を扱う。エネルギー供給の再編は寒冷な地域特性をもつ都心において環境性評価の高い社会基盤の再編であることが整理され、エネルギーと市街地再生の間に幾つかの連携の可能性が指摘された。