多軸関節の可動域の表現方法として、joint sinus cone(または単にsinus)と呼ばれる方法がある。これは関節を構成する体節の長軸の運動範囲であり、この範囲は球面上の領域に対応する。sinusを平面の図として表現する場合には、大きさ・位置・形状などの特性に歪みが生じるという問題がある。本研究では、この問題を地図投影法の概念を用いて整理し、sinusを平面で表示する方法について検討した。その結果、領域の大きさを歪みなく表示して可動域の大きな関節でも全域を切れ目無く表示できる方法として、ランベルト正積方位図法の利用を提案し、肩関節に障害のある例と無い例のsinus実測データを示してその有効性を確認した。