2025 年 40 巻 1 号 p. 57-65
本研究の目的は、福祉用具貸与事業所に所属する福祉用具専門相談員が、末期がん患者の終末期各期に行っている福祉用具の選定から末期がん患者のニーズを把握し、その支援内容を明らかにすることである。終末期前期には、《今までと同じ暮らし》を考えて選定を行い、中期になると、〔介護者の使いやすい用具の提案〕〔介護者を疲労させない用具の工夫〕で介護しやすい環境を整え、後期には、〔予後を考え用具を選択する〕ことで《状態の悪化に備える》【予測】を行っていた。末期がん患者は最期まで意識が保たれていることから、病状に合わせて福祉用具により《自立を支援》し、《本人の希望を叶える》、福祉用具選定の意義は大きい。