Review of Polarography
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有機化合物のポーラログラフ拡散電流におよぼす有機溶媒の影響
鈴木 信澤田 恵夫
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1971 年 17 巻 2-3 号 p. 69-76

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抄録
 水一有機混合溶媒中での有機化合物の拡散電流は溶媒の組成比が変化するに従って,溶媒の粘度の平方根に逆比例して変化するよりも大きいものあるいは小さいもの等種々様々であり,有機溶媒の種類によっても変る.一般に,ニトロ安息香酸のように,溶液中で解離してイオンとして溶存するような有機化合物は溶媒の粘度から予想される値に一致するか,少し低くなるが,ニドロベンゼンのような中性の分子として溶存するような有機化合物では粘度から予想たれる値より高くなるという結果を得た.このような結果は溶媒組成の変化によって水和,溶媒和の程度が変るため,およびイオン会合が生じやすくなるためであろうと考えられる。しかしながら,ニュートラル・レッドでは更に複雑な変化が生じた.これは純水溶媒中では会合のようなものが生じているためであろうと推測した.
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© 日本ポーラログラフ学会
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