Review of Polarography
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回転白金電極における亜ヒ酸塩のポーラログラフ的挙動および-プロムスクシンイミドを用いる亜ヒ酸塩の電流滴定法による定量
永井 外代士松田 十四夫杉本 宣弘
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1972 年 18 巻 5-6 号 p. 55-61

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抄録
 回転白金電極における亜ヒ酸塩のポーラログラフ的挙動を検討するとともに,N-プロムスクシンイミド(NBS)を用いる電流滴定法を亜ヒ酸塩の定量に適用した.亜ヒ酸塩は,0.1MKNO3およびBritton-Robinson緩衝液を含むpH5.0の電解液中で,+0.50Vvs.SGEに半ピーク電位を持つ1段のピーク状の酸化波を示す.還元波については,-0.5V付近に小さなピーク状の還元電流が現われるのみで,はっきりとした波はみられなかった. 酸化波のピーク電流は,10-3~2×10-5Nの範囲で士2.0%以内の偏差で濃度に比例する拡散電流であり,25℃における温度係数は1.9%/℃であった. 一方,これらの結果をもとにして,NBSを用いる亜ヒ酸塩の電流滴定を行なった.0.1MKNO3およびBritton-Robinson緩衝液を含むpH5.0の亜ヒ酸塩試料液を被滴定液とし,NBS標準溶液を滴定液として,OV vs SCEに電位を設定して電流滴定を行なった.その結果,10-3~8×10-5Nの範囲の低濃度の亜ヒ酸塩を士2.0%以内の誤差で,短絡電流滴定法により定量できた.
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© 日本ポーラログラフ学会
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