理学療法学
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報告
国立大学病院に勤務する理学療法士の実態調査報告
(昭和60年7月実施)
細田 多穂菊地 延子若山 佐一
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1986 年 13 巻 6 号 p. 415-420

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抄録

国立大学病院に勤務する理学療法士の身分の実態をアンケート調査し,下記のような結果が得られた。
1) 国立大学病院の理学療法士の総数は126人(マッサージ師,他を含むと150名),1施設での平均2.4人,平均年令は33.7人(21〜59才),SD = 9.8才である。
2) 臨床実習施設として,最近,2年間では約80%(1〜3年)で学生を受け入れている。
3) 理学療法士が格付けされている職務表では,*5等級〜3等級迄の範囲でのみ運用されている。従って,経験年数が長くなると三等級で頭打ちのまま,昇給がストップされる。今回は対象者が9人みられた。
4) 理学療法士の管理関係では,主任以上の肩書が認められているのは16大学(約4割)であり,辞令のタイプは部内,院長,学長などである。
5) 新設医科大学での定員ポスト増は16大学中,10大学で,理学療法士のポストは9人である。
*注 : 昭和60年8月に人事院勧告が出され,国会承認後は医療職俸給表(Ⅱ)の職務表は従来の6等級〜特1等級のランクから,1級〜8級への切替えがなされた。これで旧俸給表の5〜6等級は1級に4等級は2級に,3等級は3級と4級に,2等級は5級に変り,理学療法士の3等級頭打ちは事実上これで解消されたがその反面で最高位が5級どまりに据えおかれている。

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© 1986 公益社団法人 日本理学療法士協会
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