理学療法学
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研究論文(原著)
  • 原 采花, 河野 健一, 大下 裕世, 矢部 広樹, 長嶋 史子, 名村 晋哉, 一柳 浩志, 森山 善文, 西田 裕介, 山田 哲也
    原稿種別: 研究論文(原著)
    2020 年 47 巻 3 号 p. 207-214
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    [早期公開] 公開日: 2020/02/27
    ジャーナル フリー

    【目的】維持血液透析患者の栄養状態,身体機能の代表値ならびにカットオフ値を下回る患者の割合を年代別に明らかにした。【方法】670 例の維持血液透析患者に対して,患者背景,Body Mass Index(BMI),Geriatric Nutritional Risk Index(以下,GNRI),握力,膝伸展筋力,通常歩行速度,Short Physical Performance Battery(以下,SPPB)を横断的に調査した。サンプルサイズの妥当性を確認し,代表値の算出とカットオフ値を下回る患者の割合を年代間で比較した。【結果】50 歳以上の年代では十分なサンプルサイズを設定できた。GNRI,握力,膝伸展筋力,歩行速度,SPPB はいずれも年代が高いほど低値で,80 歳代においてカットオフ値を下回る割合が高かった。【結論】維持血液透析患者の栄養状態,身体機能の年代別代表値と高齢患者における低下の実態を示すことができた。

  • 太田 経介, 萬井 大規, 坂野 康介, 中城 雄一, 森若 文雄, 宮田 一弘
    原稿種別: 研究論文(原著)
    2020 年 47 巻 3 号 p. 215-223
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    [早期公開] 公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

    【目的】脊髄小脳変性症の歩行重症度の評価に,Mini-Balance Evaluation SystemTest(以下,Mini-BESTest)とBerg Balance Scale(以下,BBS)が適応可能か検討すること,歩行自立度の判別精度を検討することとした。【方法】脊髄小脳変性症患者30 名を対象に,重症度分類を用いて3 群に分類した。Mini-BESTest とBBS の得点分布,および群間比較を行った。FIM 点数よりROC 曲線を用い歩行自立度の判別精度の検討とカットオフ値を算出した。【結果】Mini-BESTest とBBS は歩行重症化にしたがい低値を示した。Mini-BESTest とBBS はArea under the curve(以下,AUC),感度,特異度が高値であった。BBS は天井効果を認めた。【結論】Mini-BESTest は高いAUC,感度,特異度を有し,歩行自立度の判別精度に有用性の高い指標であることが示唆される。

  • 前田 卓哉, 池田 崇, 田村 将希, 尾﨑 尚代, 西中 直也, 鈴木 昌, 千葉 慎一
    原稿種別: 研究論文(原著)
    2020 年 47 巻 3 号 p. 224-230
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    [早期公開] 公開日: 2020/04/06
    ジャーナル フリー

    【目的】Scapula-45 撮影法を用いたリバース型人工肩関節置換術(以下,RTSA)の肩甲骨機能と術前因子の関連性について明らかにすること。【方法】対象は,RTSA を施行した症例のうち,術後6 ヵ月以上経過観察可能であった28 名である。術後肩甲骨機能を示す術後Scapula index に対して,術前の身体所見・理学所見がどう影響するかを検討した。項目は,年齢・BMI・有病期間・自動肩関節屈曲角度・45°挙上位のScapulaindex・45°挙上位と下垂位のScapular index の変化量とした。【結果】術後Scapulaindex に対して有意な独立変数として抽出されたのは術前Scapula index のみであった。【結論】術後Scapula index に影響を及ぼす因子は,術前Scapula index のみであった。

  • ─健常肩との比較─
    中野 禎, 村西 壽祥, 桑野 正樹, 湯川 晃矢, 上谷 佑稀, 土井 還, 伊藤 陽一
    原稿種別: 研究論文(原著)
    2020 年 47 巻 3 号 p. 231-238
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    [早期公開] 公開日: 2020/04/07
    ジャーナル フリー

    【目的】リバース型人工肩関節全置換術(以下,RSA)症例の挙上時の肩関節周囲筋の筋活動について筋電図学的に検証し,健常者との違いを明らかにすること。【方法】対象はRSA 群12 肩,コントロール群17 肩とした。両群とも肩関節45°,90°挙上位で肩関節周囲筋の筋活動を表面筋電図にて計測した。挙上位保持は屈曲,肩甲骨面挙上,外転の3 方向とした。筋電図積分値より挙上45 ~90°間の筋活動比率を算出し,両群を比較した。【結果】RSA 群において,屈曲では三角筋後部,肩甲骨面挙上では僧帽筋上部と三角筋後部,外転では大胸筋鎖骨枝の筋活動比率が有意に高値であった(p <0.05)。【結論】45 ~90° までの挙上位保持に際して,RSA 症例と健常肩では肩関節周囲筋の筋活動が異なる可能性を示唆した。

  • 藏合 勇斗, 小野 秀高, 芹澤 健輔, 水守 啓介, 岩瀨 聡, 增井 綾乃, 小野寺 礼真, 松本 卓, 井上 順一朗
    原稿種別: 研究論文(原著)
    2020 年 47 巻 3 号 p. 239-246
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    [早期公開] 公開日: 2020/05/09
    ジャーナル フリー

    【目的】本研究では胃癌開腹術後の合併症にもっとも影響する因子を検討した。【方法】対象は術前から周術期リハビリテーションを実施した24 例とし,術後合併症発症群と術後合併症発症なし群の2 群に分け統計学的に比較検討した。また,もっとも術後合併症に影響する因子を抽出するため,ロジスティック回帰分析を行った。さらに,ROC 曲線を用いてカットオフ値を算出した。【結果】術前6 分間歩行距離は,術後合併症発症群にて有意に低値であった。ロジスティック回帰分析の結果,選択された因子は術前6 分間歩行距離のみでありROC 曲線の結果カットオフ値は300 m であった。【結論】本研究において,胃癌開腹術後の合併症には術前6 分間歩行距離がもっとも影響していることが示された。術前6 分間歩行距離は胃癌開腹術後の合併症予測因子として有用であり300 m 以下の患者に対しては術前から,より積極的なリハビリテーションや運動耐容能に着目した指導を行うことが重要であると考えられる。

短 報
  • 儀間 裕貴, 儀間 実保子, 浅野 大喜
    原稿種別: 短  報
    2020 年 47 巻 3 号 p. 247-254
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    [早期公開] 公開日: 2020/04/08
    ジャーナル フリー

    【目的】N 式幼児運動イメージテスト(以下,N 式テスト)と乳幼児発達スケールの各発達領域の関連性を検討する。【方法】対象は3~6 歳の幼児42 名および養育者とした。N 式テストからカード選択レベル(以下,絵カード課題)と姿勢変換レベル(以下,姿勢変換課題)の得点を算出した。養育者には乳幼児発達スケールの回答を依頼し,児の発達全般(運動,言語,社会性など)を得点化した。N 式テストの得点と月齢の相関,各発達領域の関連性を検討した。【結果】N 式テストを完遂できた児は32 名であった。N 式テスト得点と月齢は有意に相関した。絵カード課題得点には,運動,言語(理解・表出),姿勢変換課題得点には,月齢,運動,理解言語,社会性(対子ども・対成人)が有意に関連した。【結論】N 式テストの課題は,それぞれ異なる発達の側面と関連した。姿勢変換課題には対人的な社会性発達が関連し,対人的なやりとりの経験がN 式テストにおける運動イメージに関与する可能性を示唆した。

症例報告
  • 渡邉 真, 阿部 浩明
    原稿種別: 症例報告
    2020 年 47 巻 3 号 p. 255-264
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    [早期公開] 公開日: 2020/03/30
    ジャーナル フリー

    【目的】随意運動機能と歩行能力に乖離がみられた前頭葉内側面損傷例に対し,本現象の背景に運動開始困難例があると推察し外的刺激を用いたアプローチを試み,症状の改善を認め屋内歩行自立を獲得したため報告する。【対象】右前大脳動脈閉塞により左下肢の随意運動が著しく困難となったものの,移乗動作や歩行時には明らかな支持性の低下がみられなかった70 歳代の女性である。【方法】視覚情報や聴覚情報を活用した外的刺激を用いた理学療法を実施した。【結果】外的刺激の提供によって運動開始困難には改善がみられ,各種起居動作時の随意運動障害は改善し,歩行時の運動開始困難の改善が図れ,退院時には屋内歩行自立までに至った。【結論】前頭葉内側面損傷後に随意運動機能と歩行能力に乖離が生じた症例に対して,外的刺激を用いた理学療法を実践することは,運動機能を改善させるうえで有効な一治療手段となる可能性があるものと思われた。

  • 三鴨 可奈子, 片桐 浩史, 汐田 まどか
    原稿種別: 症例報告
    2020 年 47 巻 3 号 p. 265-269
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    [早期公開] 公開日: 2020/04/01
    ジャーナル フリー

    【目的】症候性側弯を呈した症例に対し装具療法とともに運動療法とシーティングを実施し,脊柱アライメントと姿勢の改善がみられたので報告する。【対象と方法】対象は症候性側弯症をもつ2 例で,症例1はCobb角36°,骨盤傾斜Pelvic Obliquity(以下,PO)13°,体幹偏移Trunk Shift(以下,TS)10 mm,症例2 はCobb 角51°,PO25°,TS139 mm であった。どちらも動的脊柱装具Dynamic Spinal Brace(以下,DSB)の装着を開始した。圧力分布測定器で座面圧力の左右対称性を確認し座位練習など運動療法およびシーティングを実施した。【結果】症例1 は Cobb 角18°,PO5°,TS2 mm,症例2 はCobb 角33°,PO2°,TS39 mm と改善した。【結論】装具療法に併せ座面圧力を確認しながら座位荷重訓練やシーティングを行ったことが改善につながったと考える。

  • 河原 常郎, 深江 航也, 阿部 祐樹, 伯川 聡志, 藤森 龍平, 中嶋 隆行, 大森 茂樹
    原稿種別: 症例報告
    2020 年 47 巻 3 号 p. 270-279
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    [早期公開] 公開日: 2020/04/02
    ジャーナル フリー

    【目的】膝関節固定術後という稀有な症例を経験し,理学療法を展開する中で縦断的な歩行解析の結果,その特徴と新しい運動パターンの習熟の過程を示すことができたので報告する。【症例紹介】多発骨折後,2 度の手術を経て膝関節固定術に至った50 代男性であった。【治療プログラムと経過】回復期病院入院中は非荷重から開始し,荷重量増加に合わせ身体機能向上を図った。退院時には身体機能や動作能力は一定水準に向上したが,1 歩行周期ごとのバラつきが多いなどの特徴を認めた。なかでも術側立脚期を構成する股関節前額面上の動きに注目し,外来クリニックにて運動パターン習得を目的に治療を継続した。結果,改善は認めたが,術側股関節最大伸展角度出現遅延,術側足関節最大底屈角度減少,床反力2nd ピーク値減少といった特徴は残存した。【結語】膝関節固定術後症例は,同年代と遜色ない動作能力の獲得は可能となったが,術側膝関節以外の角度変化や床反力に特徴を示した。

理学療法トピックス
シリーズ「脳卒中重度片麻痺者の歩行再建を図る理学療法技術の進歩」
講 座
シリーズ「理学療法評価・効果判定のためのアウトカム指標」
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