理学療法学
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研究論文(原著)
  • 出口 直樹, 笹井 浩行, 鴛渕 亮一, 高橋 慶悟, 石田 敦己, 眞鍋 匠, 藤原 明
    原稿種別: 研究論文(原著)
    2021 年 48 巻 3 号 p. 251-260
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/18
    [早期公開] 公開日: 2021/01/20
    ジャーナル フリー

    【目的】生物心理社会モデルに基づく膝痛患者に対する自己管理プログラム(以下,SMP)の実現可能性と身体活動に対する効果を12 週の介入研究により予備的に検討した。【方法】膝痛患者44 名の全員が理学療法を受け,SMP の参加を希望する介入群(n =24)と希望しない対照群(n =20)に分けた。疼痛,関節症,生活習慣に関するSMP は60 分の講義を理学療法士が12 週間で9 回提供し,介入前と12 週後に質問紙にて中強度身体活動(以下,MVPA)と座位行動(以下,SB)を調査した。【結果】介入中に有害事象はなかった。44 例中7 例が脱落し,SMP の平均出席率は78.8%だった。MVPA(METs・分/ 週)の変化では群間差を認めないが,SB 時間(分/ 日)の短縮は介入群で有意に大きかった(群間差:–190, 95%信頼区間–262, –116)。【結論】理学療法とSMP の併用は実行可能なうえに,SB の減少に有効であることが示唆された。

  • ─信頼性・妥当性の検討および歩行自立に関する基準値の作成─
    石垣 智也, 尾川 達也, 宮下 敏紀, 平田 康介, 岸田 和也, 知花 朝恒, 篠宮 健, 市川 雄基, 竹村 真樹, 松本 大輔
    原稿種別: 研究論文(原著)
    2021 年 48 巻 3 号 p. 261-270
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/18
    [早期公開] 公開日: 2021/02/10
    ジャーナル フリー
    電子付録

    【目的】在宅環境での2 ステップテストの信頼性と妥当性の検討を行い,歩行自立の基準値を見出すこと。【方法】訪問リハビリテーション利用者を対象とした横断調査のデータベース(10 施設226 名)から,目的別にデータを抽出した(信頼性98 名,妥当性117 名,基準値209 名)。調査項目は基本情報と膝伸展筋力,歩行能力として2 ステップテストによる2 ステップ値や歩行自立度などとした。歩行手段と距離により屋内杖歩行から屋外独歩800 m 以上と12 種の歩行自立条件を設定し,各自立を判別するカットオフ値を検討した。【結果】2 ステップテストの検者内信頼性は良好であり,固定誤差は認めないが比例誤差が示された。2 ステップ値は膝伸展筋力より歩行能力との相関係数が高く,歩行自立条件に応じた段階的なカットオフ値が設定できた。【結論】2 ステップテストは在宅環境でも信頼性と妥当性があり,歩行自立に対する基準値を有する歩行能力評価である。

  • 貴志 将紀, 日野 斗史和, 石本 泰星, 田村 公之, 赤澤 直紀
    原稿種別: 研究論文(原著)
    2021 年 48 巻 3 号 p. 271-278
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/18
    [早期公開] 公開日: 2021/03/18
    ジャーナル フリー

    【目的】本研究の目的は,高齢肺炎患者における嚥下能力と大腿四頭筋の筋内非収縮組織量との関連を調査することである。【方法】対象は入院高齢肺炎患者47 名とした。嚥下能力はFood Intake Level Scale(以下,FILS)を用い,大腿四頭筋の筋内非収縮組織量は超音波画像の筋輝度から評価した。大腿四頭筋の筋輝度は左右の大腿直筋と中間広筋の平均値とした。筋輝度は筋内非収縮組織が多いほど高値を示す。FILS を従属変数,筋輝度,筋厚,皮下脂肪厚,年齢,性別,発症からの期間,GNRI,CRP,UCCI,投薬数を独立変数とした重回帰分析を実施した。【結果】重回帰分析の結果,筋輝度(β:–0.386),GNRI(β:0.529),皮下脂肪厚(β:–0.339)が独立し有意な変数として選択された(R2:0.484)。【結論】高齢肺炎患者の嚥下能力には,大腿四頭筋の筋量よりも,筋内非収縮組織量が関連することが明らかとなった。

  • ―Convolutional Neural Network とエッジ検出を用いた分類による予備的研究―
    中口 拓真, 石本 泰星, 桑田 一記, 福本 祐真, 田津原 佑介, 近藤 義剛
    原稿種別: 研究論文(原著)
    2021 年 48 巻 3 号 p. 279-286
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/18
    [早期公開] 公開日: 2021/03/23
    ジャーナル フリー

    【目的】下腿のデジタル画像とエッジ検出により低Skeletal Muscle Index(以下,SMI)である高齢女性を判定できるか予備的に検証すること。【方法】入院中の高齢女性を対象とした。デジタルカメラで撮影した対象者の下腿のデジタル画像を用いて,キャニー法でエッジ検出を行った。低SMI の基準はアジア作業グループが提唱する基準値5.7 kg/m2 を用いて群分けを行い,下腿のデジタル画像とエッジ検出した画像のそれぞれで,Convolutional Neural Network による解析を実施した。【結果】対象者は32 名であった。下腿のデジタル画像およびエッジ検出した画像における低SMI を判定するC 統計量はそれぞれ0.83(95%CI:0.83–1.00)と0.92(95%CI:0.92–1.00)であった。【結論】下腿のデジタル画像を用いることで低SMI 者を判定できる可能性がある。

短 報
  • 宮原 小百合, 松本 浩実, 三谷 茂
    原稿種別: 短  報
    2021 年 48 巻 3 号 p. 287-293
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/18
    [早期公開] 公開日: 2021/03/16
    ジャーナル フリー

    【目的】末期変形性股関節症女性患者の尿失禁および骨盤臓器脱の有症率とそれらの認知度,関心度および指導への期待度を明らかにすること。【方法】人工股関節全置換術術前の末期変形性股関節症女性患者38 名(平均年齢64.9 歳)を対象とした。国際尿失禁会議質問票と骨盤臓器脱困窮度質問票にて有病率を調査した。さらに尿失禁および骨盤臓器脱についての認知度,関心度および指導への期待度を自記式質問紙にて調査した。【結果】有症率は尿失禁が65.8%,骨盤臓器脱が63.2%であった。47.4%の患者がどちらの症状も認めた。尿失禁および骨盤臓器脱について,「知っている」と回答したのはそれぞれ57.9%,28.9%であり,7 割以上が関心を示し,半数程度が指導を期待していた。【結論】末期変形性股関節症女性患者の尿失禁および骨盤臓器脱の有症率は高かった。患者の多くは尿失禁と骨盤臓器脱に関心をもち,指導を期待していることがわかった。

症例報告
  • 深田 亮, 古矢 丈雄, 竹内 弥彦, 金 勤東, 赤坂 朋代, 村田 淳
    原稿種別: 症例報告
    2021 年 48 巻 3 号 p. 294-302
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/18
    [早期公開] 公開日: 2021/01/23
    ジャーナル フリー

    【目的】脊髄後索障害により,脊髄性運動失調を呈した歩行障害に対する理学療法について報告する。【対象】胸椎黄色靭帯骨化症でロンベルグ徴候と歩行障害を呈した73 歳男性である。第10/11 胸椎高位において,胸椎黄色靭帯骨化症に伴う硬膜管の圧排および同部位の脊髄圧排が確認された。不全対麻痺で立位保持,歩行が困難となり,第10/11 胸椎椎弓切除術,12 胸椎頭側1/2 部分椎弓切除術,黄色靱帯骨化切除術が施行された。【方法】術後5 日目から,歩行動作の獲得を目的に自転車エルゴメーター,トレッドミル歩行練習を中心に実施した。【結果】術後13 日目,ロンベルグ徴候は陰性となり,独歩が可能となった。【結語】術後急性期から自転車エルゴメーターやトレッドミル歩行練習を施行したことで,転倒なく独歩で日常生活に復帰できた。

  • 大谷 武史, 木村 大輔, 平松 佑一, 海部 祐史
    原稿種別: 症例報告
    2021 年 48 巻 3 号 p. 303-311
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/18
    [早期公開] 公開日: 2021/03/15
    ジャーナル フリー

    【目的】脳出血後に希に生じる人格変化と依存的行動を呈した症例に対し,目標設定ツールを用いた理学療法を実施し良好な結果が得られたので報告する。【症例】症例は背内側核を中心とした右視床出血を呈した60 歳台の女性である。ADL 自立の阻害因子であった依存的行動の背景には人格変化と高次脳機能障害の影響が考えられ,加えて不安と自己効力感の低下を認めた。【方法】行動変容を促すためGoal Attainment Scale を用いて段階的に目標設定し,結果を2 週間毎に共有した。行動変容の背景要因を明確にするために目標達成度,自己効力感,神経心理学的検査,運動機能を評価した。【結果】自己効力感,神経心理学的検査,運動機能が改善し退院時目標を達成した。一方で,一部の改善を認めたものの人格変化は残存した。【結論】行動の計画や実行に目標設定ツールを用いて達成経験を共有したことが自己効力感を高め依存的行動の変容につながったと考えられた。

  • 渡辺 祐樹, 柳沼 里英, 伊橋 光二, 小野 洋子, 添田 健仁, 佐藤 真理, 大井 直往
    原稿種別: 症例報告
    2021 年 48 巻 3 号 p. 312-320
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/18
    [早期公開] 公開日: 2021/03/19
    ジャーナル フリー

    【目的】慢性進行性外眼筋麻痺(以下,CPEO)のミトコンドリア病に対して,リスク管理を行ったうえでのPT 介入により,身体機能・ADL 維持向上が得られたので報告する。【症例紹介】骨格筋異常・肥大型心筋症症状で精査加療目的に入院した50 代女性。入院期間中に確定診断までは至らなかったが,最終的にPCR にてmitochondrial DNA の多重欠失が認められ,筋病理所見からCPEO の診断に至った。【経過】入院後2 日目よりPT を開始した。生化学検査やモニター管理などを行いながら,動作練習を中心に行った。入院36 日目にBI5 点から20 点,mFIM19 点から25 点へ改善した。【結論】本症例に対しては,生化学検査や循環動態,自覚症状など様々な面からモニタリングし,リスク管理を徹底したうえでPT 介入を行い,身体機能およびADL・QOL の維持向上を図ることができた。

実践報告
  • 佐藤 弘樹, 吉川 憲一, 宮田 一弘, 佐野 歩, 水上 昌文
    原稿種別: 実践報告
    2021 年 48 巻 3 号 p. 321-329
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/18
    [早期公開] 公開日: 2021/02/16
    ジャーナル フリー

    【目的】脊髄損傷者の体幹機能評価尺度(以下,TASS)を開発し,信頼性を検証すること。【方法】脊髄障害認定理学療法士9 名によって開発したTASS を用いて,理学療法士2 名が脊髄障害を有する10 例の評価を実施した。級内相関係数ICC(2,1),Cohen のκ 係数,Cronbach のα 係数を用いて,検者間信頼性,項目一致度,内的整合性を確認した。Bland-Altman 分析を用いて,系統誤差の有無を確認した。【結果】TASS は端座位課題7 項目で構成される尺度となった。ICC(2,1)は0.98,κ 係数は0.57 ~1.00,α 係数は0.94 であった。評価者2 名の差の平均値は95% 信頼区間が–2.58 ~1.18,散布図の回帰直線の傾きは0.19(p=0.61)であった。【結論】端座位課題7 項目で構成される体幹機能評価尺度が完成し,高い検者間信頼性,内的整合性を示し,系統誤差のない尺度であることが確認された。

調査報告
  • 石井 瞬, 夏迫 歩美, 福島 卓矢, 神津 玲, 宮田 倫明, 中野 治郎
    原稿種別: 調査報告
    2021 年 48 巻 3 号 p. 330-336
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/18
    [早期公開] 公開日: 2021/03/17
    ジャーナル フリー

    【目的】本研究の目的は,リンパ浮腫外来における圧迫下の運動療法の実施状況と,その実施が抱える問題点を把握することである。【方法】リンパ浮腫外来を実施している全国のがん診療連携拠点病院を対象に,リンパ浮腫ケアの実践内容,運動療法の実施内容,リハビリテーション(以下,リハビリ)スタッフとの連携の有無,運動療法の実施が抱える問題点についてアンケート調査を行った。【結果】リンパ浮腫外来で運動療法を実施している施設は14.2% であった。運動療法を実施できない問題点として「知識・技術のあるスタッフの不足」,「診療時間の不足」,「連携不足」などが挙げられ,運動療法を実施している施設はリハビリスタッフ数が多かった。【結論】今回の調査結果から,リンパ浮腫外来で運動療法を実施するためには専門的な知識をもったリハビリスタッフを育成,増員する必要があることが示唆された。

理学療法トピックス
シリーズ「疾病予防の基礎研究と臨床応用」
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シリーズ「加齢に伴う生体の変化とその理解」
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