理学療法学
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短報
脳卒中患者における早期リハビリテーション実施状況とリハビリテーション提供体制との関連性
-入院曜日を考慮した分析での検討-
松本 大輔近藤 克則白石 成明杉山 統哉鄭 丞媛
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2014 年 41 巻 1 号 p. 21-27

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抄録

【目的】早期リハビリテーション(以下,リハ)実施にはリハ提供体制が関連し,特に週末や休日でリハ提供体制が不足すると考えられる。本研究の目的は,急性期脳卒中患者における早期リハ実施とリハ提供体制との関連性を,入院曜日を考慮した分析によりあきらかにすることである。【方法】日本リハビリテーション・データベース協議会の登録患者で,急性期脳卒中患者4,713名のうち,選択基準を満たした8病院2,307名を対象とした。入院曜日を祝日のない週の平日(月〜木曜),祝日のある週の平日,金曜日,土・日曜日,祝日の5群に分け,比較した。入院3病日以内の早期リハ実施と入院曜日,リハ専門医の関与,リハスタッフ充実施設(病床数とPT・OT・ST合計数の比が5対1以上)との関連性をロジスティック回帰分析により分析した。【結果】早期リハ実施割合は,平日よりも金,土・日,祝日で有意に低く,コンサルタント医リハ専門医および認定臨床医に対し主治医リハ専門医でオッズ比9.99倍,リハスタッフ不足施設に対しリハスタッフ充実施設で2.30倍有意に高かった(p<0.05)。【結論】急性期における効果的なリハ提供体制として,リハ専門医が主治医として関与することとリハスタッフの充実が必要である可能性が示唆された。

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© 2014 公益社団法人 日本理学療法士協会
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