理学療法学
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短報
意識的には認識できない小さなリズムの変化が予測に基づく反応運動に及ぼす影響
-基本間隔を延長したパターンによる検討-
高橋 優基藤原 聡伊藤 正憲嘉戸 直樹鈴木 俊明
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2014 年 41 巻 5 号 p. 306-311

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抄録

【目的】刺激のリズムが変化したと意識的に気づけない小さなリズムの変化が予測に基づく反応運動に及ぼす影響について検討した。【対象と方法】対象は健常者13名とし,聴覚刺激を合図に素早く右足関節を背屈する反応時間課題を実施した。1,500ms間隔(本研究の基本間隔)の周期的な聴覚刺激を呈示する条件1,条件1のうち最後の刺激間隔のみを1,575ms(基本間隔を5%延長)とする条件2,同様に1,800ms(20%延長)とする条件3を測定条件とした。最後の刺激に対する筋電図反応時間を3条件間で比較した。【結果】条件1および条件2と比較して条件3の筋電図反応時間が有意に遅延した。条件1と条件2の筋電図反応時間に有意差は認めなかった。【結語】周期的なリズムは刺激呈示時刻の前後にある程度の時間の幅をもって予測されており,リズムが変化したと気づけない基本間隔の5%程度の小さなリズムの変化では反応運動は遅れないことがあきらかになった。

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© 2014 公益社団法人 日本理学療法士協会
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