2017 年 44 巻 4 号 p. 299-305
【目的】本研究は,頭頸部がん男性患者の手術前の社会的自己効力感が,入院中における栄養状態と身体機能,Quality of Life(以下,QOL)に影響を与えるかを検討することを目的とした。【対象】頭頸部がん男性患者31 名の両側郭清術施行した7 名を含む37 肢とした。【方法】社会的自己効力感で対象者をLow 群とHigh 群の2 群に分類した。栄養状態として,体重,body mass index,血清アルブミン値(以下,Alb),C 反応性蛋白とした。身体機能として,肩関節外転可動域(以下,外転ROM),握力,6 分間歩行距離を計測した。さらにQOL のアンケート調査を実施した。各評価の計測時期は,手術前と退院前とした。【結果】群間と時期に有意な主効果が認められたのは,Alb と外転ROM の2 項目であった。【結論】手術前の社会的自己効力感が入院中のAlb と外転ROM に影響を与えたことから,手術前の社会的自己効力感を把握する必要性が示唆された。