2017 年 44 巻 5 号 p. 357-363
【目的】通所リハを利用する要支援・要介護者を対象として運動機能に対する介入効果に1 年間の生活空間の変化が及ぼす影響を検討することを目的とした。【方法】対象者は通所リハを利用中の40 名とし,生活空間評価としてLife Space Assessment(以下,LSA),運動機能評価として四肢等尺性筋力,5 m 最大歩行速度(以下,5MWS),Timed Up and Go test(以下,TUG),片脚立位保持時間,Functional reach test を初期評価,6 ヵ月後,12 ヵ月後に計測した。12 ヵ月後にLSA 得点が維持向上または減少したかによって対象者を2群に分け,12 ヵ月間の運動機能の変化率を群間で比較した。【結果】LSA 得点維持向上群に比べLSA 得点低下群では5MWS の変化率が低値,TUG は高値を示した。【結論】通所リハの利用者の移動能力を低下させないためには生活空間を維持する重要性が示唆された。