2019 年 46 巻 4 号 p. 250-258
【目的】慢性閉塞性肺疾患(以下,COPD)患者の予後に関連する身体活動量(以下,PA)と基準値について,後方視的に検討した。【方法】対象はカルテによる追跡調査が可能であったCOPD 患者25 例である。調査期間中に死亡した8 例を非生存群,調査終了時点で生存していた17 例を生存群とし,2 群間における呼吸・身体機能項目ならびにPA を比較した。また,予後に関連する因子の検討として,ロジスティック回帰分析を行い,カットオフ値を算出した。【結果】生存群と比較し,非生存群では1 日の歩行時間および起立回数が有意に低値を示した。ロジスティック回帰分析では歩行時間,起立回数が有意な因子として算出され,カットオフ値は歩行時間が167 分/ 日,起立回数が30 回/ 日であった。【結論】COPD 患者の生存転帰に関連する基準値として,1 日の歩行時間は167 分/ 日未満,起立回数は30 回/ 日未満が有意に関連している可能性が示唆された。