理学療法学
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研究論文(原著)
高齢心不全患者における入院中の手段的日常生活動作の低下に関連する要因
鬼頭 和也渡邊 大輔小野田 博繁藤山 啓太戸田 真弘森 雄司加藤 倫卓
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2021 年 48 巻 2 号 p. 205-213

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抄録

【目的】高齢心不全患者における入院中の手段的日常生活動作(以下,IADL)の変化に着目し,IADL が低下した患者の臨床的特徴を調査し,さらにIADL の低下を予測する因子を検討した。【方法】対象は多施設共同研究に参加している5 つの病院へ心不全の診断で入院した485 例とし,入院中にIADL が低下した低下群とIADL に変化がなかった,あるいは増加した維持群の2 群に分類した。IADL の低下を予測する因子を検討するため,ロジスティック回帰分析を実施した。【結果】IADL の低下に関連する要因として,高齢,糖尿病の合併,要支援あるいは要介護状態,Alb の低値,そしてMMSE の低値が抽出された(それぞれP<0.01,P<0.01,P<0.05,P<0.05,そしてP<0.05)。【結論】入院中にIADL が低下する高齢心不全患者の特徴は,高齢,糖尿病の合併,要支援あるいは要介護状態,Alb の低値,そしてMMSE の低値であった。

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© 2021 日本理学療法士学会
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