理学療法学
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研究論文(原著)
膝痛患者に対する生物心理社会モデルに基づく自己管理プログラムが身体活動および座位行動に及ぼす影響:予備的研究
出口 直樹笹井 浩行鴛渕 亮一高橋 慶悟石田 敦己眞鍋 匠藤原 明
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2021 年 48 巻 3 号 p. 251-260

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抄録

【目的】生物心理社会モデルに基づく膝痛患者に対する自己管理プログラム(以下,SMP)の実現可能性と身体活動に対する効果を12 週の介入研究により予備的に検討した。【方法】膝痛患者44 名の全員が理学療法を受け,SMP の参加を希望する介入群(n =24)と希望しない対照群(n =20)に分けた。疼痛,関節症,生活習慣に関するSMP は60 分の講義を理学療法士が12 週間で9 回提供し,介入前と12 週後に質問紙にて中強度身体活動(以下,MVPA)と座位行動(以下,SB)を調査した。【結果】介入中に有害事象はなかった。44 例中7 例が脱落し,SMP の平均出席率は78.8%だった。MVPA(METs・分/ 週)の変化では群間差を認めないが,SB 時間(分/ 日)の短縮は介入群で有意に大きかった(群間差:–190, 95%信頼区間–262, –116)。【結論】理学療法とSMP の併用は実行可能なうえに,SB の減少に有効であることが示唆された。

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© 2021 日本理学療法士学会
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