理学療法学
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研究論文(原著)
通所リハビリテーションにおける余暇活動の活発さに移動の自立度と手段が及ぼす影響
山本 光滝澤 恵美岩井 浩一
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2021 年 48 巻 5 号 p. 482-489

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抄録

【目的】通所リハビリテーションで実施される余暇活動の活発さに,移動能力が及ぼす影響を調べた。【方法】通所リハビリテーションを利用する65 歳以上の97 名(男性30 名,女性67 名)を対象者とした。余暇活動の活発さは評価者1 名が対象者を観察し,活動性と対人関係を評価した。移動能力は施設内での移動の自立度(介助,見守り,自立)と手段(車いす,歩行)を調べ,他の独立変数として年齢,性別,主疾患,要介護度,上肢機能,認知機能,活動時の姿勢を調べた。これらの変数が活動性と対人関係に及ぼす影響を分析するために一般化推定方程式を用いてオッズ比を求めた。【結果】移動自立度と認知機能が高いことが活動性と対人関係を高めた。移動手段が車いすであることが活動性を高めた。移動が自立であることは認知機能よりもオッズ比が大きかった。【結論】余暇活動の活発さには,移動手段の違いや認知機能を考慮してもなお,移動の自立度が影響する。

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© 2021 日本理学療法士学会
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