抄録
【目的】2 種類の異なる小胸筋ストレッチ方法の効果の違いを明らかにすることである。【方法】対象は高校野球部員34 名とした。測定項目は小胸筋長,安静時の肩甲骨位置,上肢挙上時の肩甲骨回旋角度とした。ストレッチ方法はdoorway stretch(以下,DW-stretch 法)とretraction30° stretch(以下,R30-stretch 法)とした。【結果】二元配置分散分析の結果,小胸筋長の指標であるRib4-CP および肩甲骨位置の指標であるAD-R において交互作用が認められた。また,2 つのストレッチ法でRib4-CP およびAD-R の変化量に有意差が認められた。【結論】小胸筋を伸張させるとされるDW-stretch 法とR30-stretch 法のうち,DWstretch 法は安静時の小胸筋長や肩甲骨の位置をより変化させる可能性が示唆された。