論文ID: 11522
【緒言】延髄外側梗塞後のしびれに対する能動的な運動意図を利用する新たな感覚運動イメージニューロフィードバックシステム(imagery Neurofeedback-based multi-sensory systems;以下,iNems)の介入効果を多面的理学療法評価から検討した。【方法】症例は約2 年前に延髄外側梗塞を発症し麻痺側上肢にNumerical Rating Scale(NRS)7 のしびれが出現した85 歳の男性。1 日10 分間の iNems トレーニングを週2 日,6 週間実施した。【結果】しびれに対する破局的思考が改善し,麻痺側上肢の使用頻度および動作の質が向上した。さらに安静時および運動イメージ時の脳波活動にも変化を認めた。【結語】しびれに対するiNems トレーニングが行動学的な変化に加え,神経生理学的な変化を引き起こしたことから,iNems が新たなニューロリハビリテーション手法となる可能性が示唆された。