論文ID: 12221
【目的】他者との運動実施が高齢者の運動継続に望ましい影響を与えるかと,この影響の強さは基本属性や外向性(性格の1側面)によって異なるかを検証した。【方法】神戸市灘区で計3回の質問紙調査(事前,1年後,3年後)を実施した。1年後の運動継続は434名を,3年後の運動継続は380名を分析対象とした。【結果】重回帰分析の結果,事前調査で他者と運動を実施していることは,1年後と3年後の運動継続へ有意に影響していなかった。他者との運動実施と基本属性や外向性との交互作用項のうち,仕事の有無との交互作用が3年後の運動継続へ有意に影響していた。層別解析の結果,統計的に有意でなかったが,仕事をしている者のほうが,他者との運動実施による好影響を受けやすい傾向にあった。【結論】本研究では,仕事状況によって影響の強さは異なる可能性があるものの,他者との運動実施が運動継続に及ぼす影響は限定的であることが示唆された。