論文ID: 12579
【はじめに】複合性局所疼痛症候群(Complex regional pain syndrome:以下,CRPS)は痛覚過敏や運動機能低下を特徴とし,主に外傷や手術後に発症する。今回,足部のCRPSを発症し,著しい疼痛と運動困難に対してリアルタイム超音波画像フィードバック(Real-time ultrasound imaging:以下,RUSI)と疼痛過敏性に応じた運動療法を行った症例を経験した。【症例】本症例は,フェンシング動作による足部への負担が疼痛発症の契機となり,その後の過剰な安静固定によってCRPSが発症したと考えられた。介入前は疼痛過敏と足関節運動不可,歩行困難であったが,RUSIと疼痛過敏性の程度に応じた運動療法を実施した結果,疼痛は消失,足関節運動および歩行が可能となり,競技への復帰が達成された。【結論】この報告は,CRPS症例においてRUSIと運動療法の併用が症状の改善に寄与することを示唆している。