理学療法沖縄
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症例報告
転移性脳腫瘍後に口内炎発症による低栄養や食事摂取量,ADLの低下を認めた症例に対するリハビリテーション介入の経験
玉城 迅高佐藤 圭祐千知岩 伸匡尾川 貴洋田島 文博
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2023 年 25 巻 p. 37-42

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抄録

目的

今回,口内炎の増悪により一時的に経口摂取が困難になった転移性脳腫瘍患者に対し栄養状態を考慮した介入を行い,栄養状態の改善だけでなく,4点杖で病棟内歩行が自立に至った経験を得たため,報告することを目的とした。

症例紹介

70歳代男性,転移性脳腫瘍及び腫瘍内出血の診断を受け,発症から89日後に当院に転院。当院入院時から低栄養,易疲労性を認め,Functional Independence Measure(FIM)は76点だった。入院2日目に口内炎が発生し,徐々に経口摂取不良となり栄養状態の悪化に伴い日常生活活動(Activities of Daily Living: ADL)の低下を認めた。

方法

リハビリテーションは理学療法と作業療法,言語聴覚療法を,1日120分から180分,それぞれ約3ヶ月間実施した。栄養状態やADLの改善を目的に介入した。口内炎の増悪による経口摂取困難になり経鼻経管栄養を開始した。理学療法の内容は,経鼻経管栄養の期間は一時的にベッド上での自動運動や座位保持,座位での自動運動や自動介助運動を実施した。経口摂取時は起立練習やレジスタンストレーニング,自転車エルゴメーター,歩行練習を中心に実施した。

結果

入院初期に発症した口内炎は改善し,退院時の栄養状態の改善をみとめた。入院時と比較し握力(右2.2kg/左3.2kg)の向上やFunctional Balance Scale(FBS)が20点の向上,Functional Ambulation Categories(FAC)が3点の向上を認め,FIMは44点の向上を認めた。4点杖で病棟内歩行自立し自宅退院に至った。

結論

がん患者は栄養状態が低下しやすい状況に陥ることがあるため,特に栄養状態を考慮した運動療法を実施していくことが必須であり,全身状態やADLを改善させる可能性がある。

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© 2023 公益社団法人 沖縄県理学療法士協会
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