理学療法科学
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Print ISSN : 1341-1667
研究論文
ジャンプ着地動作の安定性とジャンプならびに着地後の動作転換パフォーマンス能力との関係
今野 宏亮徳元 仁美松原 由未子粟井 瞳木村 護郎佐々木 誠
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2004 年 19 巻 4 号 p. 331-335

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抄録

ジャンプ着地後の安定性とジャンプおよび着地後の動作転換パフォーマンス能力との間に関連があるかを明らかにするために,健常女性19名を対象に,フォースプレート上に両脚で着地して踏み留まる時の足圧中心軌跡(COP)6回と,ジャンプ開始から着地後に動作転換しボールを頭上にかかげるまでの遂行時間を測定した。ジャンプ着地後のCOPは,側方(X)方向最大振幅の平均値よりも前後(Y)方向最大振幅の平均値が大きな値であったのに対して,変動係数の平均値は,Y方向最大振幅よりもX方向最大振幅の方が大きかった。パフォーマンス時間は,X方向最大振幅の平均値とのみ有意な相関が認められた。ジャンプ着地後の身体全体の安定化には,前後方向の安定性保持の能力をより活用しているが,この能力は着地後の動作転換能力に影響しないものと考えられた。対して,側方方向の安定性保持の能力は着地後の動作転換の能力を一部規定する可能性が示唆された。

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© 2004 by the Society of Physical Therapy Science
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