2005 年 20 巻 4 号 p. 283-287
本研究の目的は,理学療法施行前の下肢伸展挙上と理学療法によって得た指床間距離の変化量の関係を探り,指床間距離の改善にハムストリングスの筋長が影響しているか否かを明らかにすることである。指床間距離0 cm未満者を対象とし,PNF群(41名,平均年齢21歳)と非PNF群(24名,平均年齢20歳)に設定した。PNF群にはPNF骨盤後方挙上パターンへのホールド・リラックスを施行した。結果,PNF群はホールド・リラックス後,指床間距離が有意な増加を示し(p<0.05),ホールド・リラックス施行前の下肢伸展挙上とホールド・リラックス施行による指床間距離の変化量は相関を認めなかった(p<0.05)。骨盤後方挙上パターンへのホールド・リラックスで指床間距離が改善する結果が得られ,施行前のハムストリングスの筋長に影響されないことが示唆された。