2006 年 21 巻 3 号 p. 249-254
アンケート調査により,妊娠時の腰痛の実態を把握し,腰痛が日常生活へ及ぼす影響について検討することを目的とした。茨城県内の診療所及び総合病院の産婦人科,スポーツ施設に通う妊婦769名を対象に,独自に作成した質問紙を用いて調査した。その結果,妊婦の56.7%が今回妊娠してから腰痛を経験していた。VASによる腰痛の程度は‘軽い痛み’と感じる程度であったが,腰痛群は腰痛なし群に比べて,妊娠早期から,日常生活の中で腰に負担のかかる動作に,困難さを感じていた。これらのことから,妊娠時の腰痛は自覚的には軽度であると考えられるが,妊娠早期から日常生活動作へ悪影響を及ぼすので,妊娠早期より腰痛予防の対策が必要である。