抄録
本研究は,足底感覚と下腿筋固有受容覚のどちらが立位姿勢制御に寄与するかを検討した。対象は,健常成人男性12名。足底と下腿を個別冷却した。閉眼での静止立位および足部不安定立位の2条件で,体幹・下肢筋群の筋活動量と重心総軌跡長を冷却前(コントロール),冷却後(冷却後3分以内と冷却後皮膚温20°Cより高い状態)で比較検討した。筋活動量の変化率は,足底冷却後が下腿冷却後よりも下肢近位筋と体幹筋が有意にコントロールに対して増加し,重心総軌跡長は,足底冷却後が下腿冷却後よりも有意にコントロールに対して延長した。これらの結果から,足底感覚入力低下が下腿筋筋紡錘感覚入力の低下よりも足関節ストラテジーから股関節ストラテジーへと移行させ,重心総軌跡長の延長を招き,立位姿勢制御能を低下させると考えられた。