2007 年 22 巻 1 号 p. 19-26
理学療法における介入方針を立案するための臨床判断の妥当性は,理学療法の介入効果そのものを左右する可能性がある。したがって,従来の経験則基盤型の理学療法から,科学的根拠に基づく理学療法(Evidence-based Physical Therapy,EBPT)へと概念的枠組みの変換を推進していくことが重要となっている。EBPTを実践していくためには,臨床研究による実証報告としてのエビデンスだけでなく,患者の意向や価値観,そして,理学療法士の専門的知識や技能を統合した総合的な臨床判断が重要となる。