2007 年 22 巻 4 号 p. 433-437
骨関節,脳血管,循環器などの各疾患で理学療法依頼のあった47人を対象に,血圧脈波検査装置を用い,Cardio Ankle Vascular Index(CAVI)を測定し検討した。CAVIは,四肢の動脈硬化傾向を示すものであり,高血圧,狭心症,糖尿病の3疾患のうち,2つ以上の疾患に罹患している群とそれ以外の群で有意差を認め,狭心症既往の有無でも有意差を認めた。このことは,重篤な末梢循環障害や冠動脈疾患へ発展する可能性を示しており,運動療法を実施する上で注意が必要なことを意味している。運動療法前に血圧脈波検査を施行することは,運動負荷における有益な一情報と考えられた。